このサイト「看護師のキャリア」について

デキる看護師を目指して欲しい

看護師という専門職に行き詰まりを感じることはあるだろう。それ解決するには学ぶ思考を持つしかない。いろんな学び方、学ぶ場所、学ぶチャンス、学ぶ内容があって看護師キャリアが肉付けされ人生を飛躍させるのだ。

デキる看護師

深い思考に裏づけられた適切な判断力を持った人だろうか。冷静な判断と行動によってスタッフからの信頼が厚い人だろうか。いずれにしても、教科書や過去の経験のみに依存せず、幅広く深い思考の中から適切な行動ができ、その言動に誰もが説得力を感じる人なのではないだろうか。

このサイトでは、「デキる看護師とは、単に知識があるとか、経験が豊富ということではなく、深い思考により、誰もが納得できる方法、行動を導き出すことができる人」として考え記事を書いている。

多忙な看護業務の中では、「なぜそうなのか?」と背後にあるメカニズムや原因を深く思考するよりも、マニュアルやスケジュールに沿って時間内に業務をこなすことや、素早く答えを出し行動することが求められている。その習慣は、マニュアル的な思考の看護師を増やすことにつながっていないか。

私たちは学生時代に看護学を学んだ時、「なぜそうなのか?」「なぜそうするのか?」と、その根拠を思考する大切さを学んだはずだ。しかし現場に出ると、知識や技術の習得は自分で体験したり、先輩から伝承されることが多く、次第にマニュアル的な思考になっていく。

それでも解決できない場合は他者からの答えや指示を待つようになり、少しずつ思考習慣のない看護師になってしまうのだ。

看護師は勤勉だと言われるが、知識技術の習得に力点が置かれる傾向にある。医療の進歩は早いので、知らないことがあると不安にかられる。無知による不安を、新たな技術知識への追求で乗り切ろうとする。

しかし本当に重要なのは、思考し答えを導き出す力である。困難な問題に対して、初めから答えがわかっていることはほとんどない。そもそも答えが簡単に導き出せるなら、問題にはなっていないはずである。

現場で起きている問題を「どう考え、どう行動して解決するか」を導き出す能力が必要とされている。問題解決する思考は、チーム内でリーダーシップを発揮する際にも必要である。また、チームの問題を解決することは、ひいては看護の質の向上につながり、それが経営への貢献となる。
近年、看護師の経営貢献が期待されているが、現場では「どう貢献すればよいのかわからない」「金儲けのために医療を行っているのではない」など、ネガティブな意見が多く聞かれる。しかし、同じ医療を行っていながら、黒字の病院、赤字の病院があるのはなぜなのか。

黒字、赤字というアウトプットは、我々が行っている医療の結果である。ならば、その結果を生むメカニズムを改善することが、看護師としての経営貢献につながるはずである。

病院と看護師

病院と看護師

看護師は病人をケアするというパラダイムからなかなか脱却できない。それもそのはず、全国の就労看護師約76万人のうち病院勤務者は76.6%を占めており、診療所勤務者(11.1%)、訪問看護ステーション勤務者(3.0%)などその他の就労者を合わせると、大半が医療機関に雇用されているからだ.

免許は持っているものの就労していない看護師は、「潜在看護師」という呼称をつけられており、全国に55万人もいると言われている。

現場復帰したくても、数年のブランクがあるために技術が伴わなくなったという不安を持つ潜在看護師もいるため、各都道府県では、そのような看護師に対する研修などを企画実施している。

しかし、思うように参画者の数字が伸びていないとうだ。その背景には、もっと根本的なところでつまずいている様子がうかがい知れる。それは、「結婚する前は看護師をしてたんです」とか、「子供が大きくなったら、看護師として復帰できたらいいなと思っているんです」といった看護師自身の表現に代表される。

現行制度においては、看護師は終身免許なのだから、免許を返還しない限り看護師であり続けるはずだ。それなのに、組織を離れたら看護師ではなくなるような表現をするのは、看護師は組織の中で雇われて働く人という意識が看護師自身の中にあるからだろう。

いったん医療機関を離れたら看護師ではなくなってしまうようなそんな風潮があるため、現場に呼び戻すのが困難なのだ。だから、心理的に看護師でなくなってしまわないうちに呼び戻す策を講じなければならない。

そこで、組織を離れても看護の視点で自らのキャリアを考え続けられる一つの捉え方として「起業」の概念をもっと導入してみたい。そうすれば、組織を辞しても、これまでの経験を活かした看護サービス活動の展開が可能であることを、看護者が意識できるだろう。

組織に所属することにとらわれないキャリアの可能性は、看護者の潜在的能力を刺激し、自分のライフスタイルに合った看護の展開を可能にするという意味で、モチべーションの向上にもつながると思われる。

起業した人たち

訪問看護ステーション

出典:訪問看護ステーション | 三原赤十字病院

そう思って起業した看護師を探すと、結構いるものである。彼女、彼たちの働く形態はさまざまで、病院でパートタイム看護師をしながら週のうちの決まった時間を会社経営に費やしている人、NPOとして組織を立ち上げている人、株式会社化して社長となっている人などである。

これまで何人もの起業看護師に会ってきた。彼女たちが起業したきっかけは次のようなものだ。

看護師として働く中でひらめくものがあって起業のきっかけをつかんだ、大学や大学院で経営関係の講義を受講し起業に触発された、元々起業ナースのもとで働いていて自分も起業したなどなど。

でも、最初から起業することが目的で看護師になったという人はいなかった。皆、看護者として働いていたときの何かが起業のアイデアとなり、それを何らかのきっかけで発表したときに、誰かの目にとまり、評価されるようになっている。

起業家の要件

起業にはリスクが伴う。そのため、誰もが起業できるわけではないし、誰もが成功するわけでもない。

看護師にとっての仕事の価値とは、で紹介したキャリア・アンカーという考え方を思い出してほしい。看護者に限らず、一般的に8つのキャリア・アンカーのうち、起業家精神をアンカーにする人が比較的少ないことが明らかになっている。

看護起業者の要件

個人的な資質 プロとしての資質
強い自己イメージ、自分に対する自信、そして達成意欲をもっている 3年から15年くらいの仕事経験を有する
リスクを恐れない 基礎教育以上の教育を受けている
創造的で率先して物事を進める コミュニケーション、交渉力、マーケティング、時間管理、広告宣伝、会計に関するスキルをもつ
明確なビジョンがある 法律、保険、助成金、税金などに関する知識を持つ
リスクを恐れない 基礎教育以上の教育を受けている
自己鍛錬ができる
失敗、あいまいさ、不確かさに対処できる
高潔、責任感、忍耐、情熱を示すことができる

プロとしての資質

3年から15年くらいの仕事経験を有する

基礎教育以上の教育を受けている

コミュニケーション、交渉力、マーケティング、時間管理、広告宣伝、会計に関するスキルをもつ

法律、保険、助成金、税金などに関する知識を持つ

表に書かれている内容をみると、とても私になんてなれないと尻ごみする人たちも出てくるかもしれない。確かに、生半可な気持ちで起業がうまくいくはずもないが、この表にあるような個人的資質を持っている看護者も大勢いるはずである。そこに右欄のようなビジネススキルが伴えば起業の可能性はぐんと強まる。

組織を離れて完全に起業するのはちょっと、という方には組織内起業という考え方もある。一般的に起業というと、組織を離れて独立するイメージが強い。そのため、自由度は大きいが、失敗したときのダメージを考えると、リスクを自らの責任でどこまで背負えるのかが常に課題となる。
組織内起業というのは、組織がすでに持っている資源(人、もの、金、技術など)を活用しながら、組織内で新たな事業(ビジネス)を創出していくことをいう。

自由度は少なくなるが、既存資源を活用できるメリットは大きい。ただし、組織側の支援が欠かせないのは言うまでもない。


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