看護師の結婚が厚労省の超越で偽装退職理由NO1に進化

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看護師の結婚

看護師としての歩みは、必ずしも順風満帆というわけではない。小さな壁、大きな壁にぶちあたりながらデコボコに、ギザギザに進んでいく。

この記事では、看護師が悩む結婚やぶつかる壁について取上げようと思う。

たとえば、結婚すると家庭との両立をどうはかるか、インシデントやアクシデントを起こしたときにそのショックを乗り越えられるのか、自分の中で許せないと思うようなことが横行している組織に目をつぶれるか、心身ともに疲れ果ててしまったとき、どうするかといったような壁である。

看護師がそれらの壁を前にしたときに頭をよぎる退職については良く理解できるが、結婚という隠れ蓑を使って辞めたい理由にしている現状が多いことをご存知だろうか?

まずは、この看護師の環境、深層心理について証明している調査結果を見ていただきたい。

最近退職したい感じる理由

ある県の600名の看護師を対象に2003年に行なった「仕事の継続に困難を感じている看護職者の健康とストレス」という調査の結果の一部である。これをみると、看護師だからこそと思えるような特徴的な理由はそれほどない。むしろ他の仕事にも当てはまるような理由が並んでいる。

  1. 精神的に苦しい : 仕事の失敗、インシデント、責任の重さ、無力感等
  2. 労働条件 : 忙しい、休めない、自分の時間がない
  3. 身体の疲れや不調
  4. 上司との関係 : 上司が認めてくれない、上司の態度、怒られるなど
  5. 職場の人間関係 : 雰囲気意見があわない、いじめや悪口等
  6. クライエントとの関係 : 苦情トラブル、充分なケアができない
  7. 仕事が向いていない : 向いていない、興味がもてない、やりがいがないなど
  8. 病院や看護部とあわない : 職場に魅力がない、方針に納得できない、管理体制がよくない
  9. 仕事をうまくこなせない : 仕事をうまくこなせない

いくつかの調査結果を拾ってみたが、調査年や対象者や調査項目の選択肢等が異なるため、一概に比較検討はできない。それでも、結婚・出産が上位を占めることは共通しているようだ。

実際に辞めてしまった人の退職理由は何か。

いくつかの調査結果を拾ってみたが、調査年や対象者や調査項目の選択肢等が異なるため、一概に比較検討はできない。それでも、結婚・出産が上位を占めることは共通しているようだ。

慢性疲労が医療事故の不安を増幅している

本看護協会が2011年6月に「日本の医療を救え」で看護師の退職理由

 

出典:公益社団法人
日本看護協会潜在看護師があげる離職の理由は、結婚・出産・育児と長時間勤務・夜勤。結婚・出産・育児を理由とする離職の背景に職場の労働条件の厳しさがある。これを改善しない限り離職防止はできない。

他にも、「燃え尽き症候群」という原因もある。その原因は多岐にわたっているにかかわらず、軽減・除去できるように対処すれぱよいと思うのだが。

他にも、「燃え尽き症候群」という原因もある。その原因は多岐にわたっているにかかわらず、軽減・除去できるように対処すれぱよいと思うのだが。詳細は、突然辞めたくなる!看護師の燃え尽き症候群を読んでいただきたい。

1位の「届け出の通り」という選択肢の詳細はわからない

たとえば、1位が結婚・出産、2位が家庭の事情(介護など)、3位が労働条件・環境となっているが、別の調査では、1位が届け出の通り、2位が結婚、3位が疲れて燃え尽きた、4位が職場の人間関係である(ただし、1位の「届け出の通り」という選択肢の詳細はわからない)。

三陸河北新報社のニュースによると、市立病院では21名の欠員が出ているが、大半が寿退職の影響だという。

結婚を”辞めたい理由”の隠れ蓑にしている

こうして理由を順に並べてみると、少し気になることがある。それは、なぜ「結婚」が退職理由の選択肢の中にあるのかということだ。

看護師の労働条件が悪いこと、人間関係がよくないこと、身体がついていかないこと、向いていないと感じることなど、退職の他の理由は、当事者にとってみれば、どれも看護師の仕事をする上で差しざわりのあるマイナス要因だ。

看護師の結婚式しかし、「看護師の結婚」はそれらとは異質だ。むしろ、おめでたいことである。

なぜ辞めるのかと上長に聞かれたときに、「結婚だったら了解してくれる、もっと言えば、「結婚します!」と言わないと辞めさせてもらえないという話を聞くこともある。

看護の仕事が結婚とは両立しえないことが前提になっている

そう聞くたびに違和感を覚えるのは、看護の仕事が結婚とは両立しえないことが前提になっている感じがするからだ。

おめでたいことを前面に出して離職志願すれば、誰も辞めることに文句は言えない。本当にそうだろうか。おめでたいことによって、看護師の仕事がさらに充実してほしいと思うのに、離職の要因として確たる理由になってしまっている。

看護は結婚したら辞めてもいい程度の仕事なのか?

看護の仕事は、結婚したら辞めてもいいやと思える程度のものなんだろうか。

結婚を機に仕事を辞めるのがよくないなどと言うつもりはない。そういう選択肢もある。結婚生活の中に仕事を入れ込むことなど考えられないくらい(今は)結婚生活をエンジョイしたいというのなら、それも一計だと思う。

しかし、「最近辞めたいと感じる理由」を自由記述してもらうと「結婚」は出てこない。つまり、辞めたいと感じる理由はいろいろあるが、実際に辞めるときにはそれらの理由は表に出さず「結婚」を全面に出せば無難なので、それで済ませているような気がしてならない。

職場での軋轢(あつれき)や過酷な現場に疲れている看護師は、寿退職を逃げ道や隠れ蓑にしてしまっているのだろうか。

本質的な理由が明確でなければ同じことが繰り返される

機会があれば辞めたいと思っている看護師の、その本質的な理由が理解されないままでは、同じょうな現象が繰り返される。看護部が、そういうこともすべてわかっていながら敢えて本質部分を見ないようにしているのだとしたら、こんなにめでたいことはない。

人があっての組織なのだから、人が離れる本当の理由に向き合わずして、組織も人も育つはずがない。

看護の現場に魅力が無くなった

看護師の現場環境の低下看護師が退職する本当の理由は何なのか。アメリカでは深刻な看護師不足が起きているが、その理由の一つに、看護の現場に魅力が無くなったことが挙げられている。

在院日数が極端に短くなり、超重症患者しか入院していないような状況の中で、看護師がこれまでべッドサイドで行なってきたケアができなくなった(不必要にされた)ためだ。

日本ではまだそこまでいかないが、こんな記事をみかけた。

某病院が療養型に転換するに当たって、やりたい看護をできなくなると言う理由で看護師たちが大挙して辞めたというものだ。「看護ができない」という離職理由ほど、重みのある言葉はない。

しかし、これも、本当は別の所に理由があるかもしれず、真相はわからない。

看護師の離職率

どんな職業にも言えることだろうが、その職に就いてから今までの間に、一度たりとも「辞めたい」と思ったことのない人は、ほとんどいないだろう。

その業界やその組織でかなり名をあげた人であっても、いつも穏やかでストレス知らずという顔をしている人であっても、「もう、こんな仕事なんてやってられない」とか、「道を間違えたんじゃないだろうか」とか、「このままこの仕事を続けることがべストなんだろうか」と惑い、辞めた方がいいんじゃないかと思うことが一度や二度はあるのが普通であろう。

だからといって、実際に辞めているかといえばそうでもない。

厚生労働省の労働統計データ検索システムで雇用動向調査を調べてみると、平成16年の離職率は男性11.2%、女性17.0%で、男女合わせると13.1%となっている。

看護師の場合、日本看護協会が発表した「2006年病院における看護職員需給状況調査(速報)」)をみると、2005年度の常勤看護職員離職率は13.1%であり、前年度に比べて1.0%の増加となっている。

看護師新人が定着しないから

看護管理の現場からは、新人が定着しない、人が足りない、欠員をどうやって埋めようかという話が日常的に聞こえてくるし、看護師からは本当によく「辞める(辞めたい)」というフレーズを聞く。

そのため、さぞかし看護師の離職率は高いのだろうと思ってしまうが、こうやってその他の職業を交えた調査と比較すると、女性が多い職場にもかかわらず離職率はおさえられている感がある。

しかし、国家試験に受かるまでに専門教育を受けなければならず、そのために費やしたコストを考えると、10数パーセントという数字が他の職業に比べて低いからそれでいいとは思えない。

看護師の辞めたい理由とは?

昔、ある会社の役員の方が、「だいたい、辞める、辞めるとしょっちゅう言っている人はなかなか辞めないものですよ。本当に辞める人は、皆が思いもかけない形ですぱっと辞めてしまいます」と言われていたことがある。

意外にこの言葉は病院看護師にも当てはまるなあと思いながら聞いていた記憶があるのだが、どうだろうか。

思うに、辞めるということを公言してはばからない人は、そう表現することで不満や不安を表出している。ロにした瞬間、少し気持ちがおさまり、次の不満や不安が頭をもたげてくるまでは仕事に向かうことができる。

しかし、本気で辞めようとする人は、解消できないほどの不満や不安を抱えて覚悟を決めていたり、次のステップをすでに用意していたりする。だから、引き止めるすべもなく辞めていくのではないだろうか。

それでは、どのような理由で看護師は辞めたいと思うのだろうか。

ナースが退職する本当の理由

さて、いざ辞めることになったとしよう。

その時に考えて欲しいことがある。それは、何を「辞める」のかということだ。

「辞める」にはいろんな意味がある。所属している組織を「辞める」というのは、その病院や組織が肌に合わなかったり、転居などでその地にいることができなくなったりしたときに使う。

そのため、辞めても他の病院に就職することが視野に入った辞め方になる。生涯免許をもっているわけだから、たとえ「辞めた」と思っても受け入れ先さえあれば、また看護師として復帰することは可能だ。

なにも「辞める」時点で、長期的なキャリア展望まで考えなくても、働きたくなれぱ戻ればいいという考え方も十分成り立つ。

病院の看護師を「辞める」というのは、交替制勤務が続けることが厳しくなったときや、専門性の高い医療現場に身を置くことが難しくなったときなどに使う。

この場合も、病院以外の場所、たとえば診療所や保健所で就職しなおすことが想定される。

しかし、看護を「辞める」というときには、看護師であることを辞めて看護の世界から離れてしまうことを意味する。

もちろん、この職場がイヤなだけなので、他の職場で自分らしく働きたいと思っているのか、もう少し自分のライフスタイルに合った職場を探したいのか、今はちょっと立ち止まったり息抜きしたいだけなのか、自分はほとほと看護師であることに嫌気がさしているのかなど、辞め方によって(辞めるときの覚悟のもち方によって)、その後のキャリアへの意味づけがずいぶん異なるように思われる。

まとめ

看護師の退職(辞める)というのは、社会的問題にもなっている。

肌に合わないところで無理に働き続ける必要はないし、本当に向いていなければ転職もよいかもしれない。

しかし、辞める必要のない人や辞めたくないと思っている人が辞めているのであれば、その退職する本当の理由を探り、キャリア継続の支援を真剣に考えなければ、看護界全体の発展が危ぶまれる。

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